最近、介護の方法で古武術(こぶじゅつ)の身のこなしを取り入れる「古武術介護」が注目されています。
腕力や筋力ばかりに頼らず、自分や相手の体の動きや体重をうまく使う、という古武術的な発想を介護に取り入れることによって、介護者の腰や肩への負担を従来よりも軽くできると言われています。
こうした古武術を応用した介護方法は、介護する側だけでなく、介護されるお年寄りの方たちにとっても楽だといいます。
介護の現場は、要介護者の体を抱え上げたり、向きを変えたりと、大きな力のいる仕事がほとんどのため、自分の腰や肩を痛める可能性が絶えずあります。
例えば、腰かけた人を立ち上がらせようとした場合…
腕だけを引っ張って立たせることは、要介護者の肩や腕を痛めることになりますから、両手で相手の腰の辺りを抱くようにして引っ張り上げます。
相撲でいうところの「がっぷり四つ」の状態です。
ただ、この場合は、抱える側の介護者の腰に大きな負担がかかるだけでなく、相手にも圧迫感を与えてしまいます。
これに対し、古武術を応用した介護法は、身体全体を上手に使い、力を入れるポイントを工夫することによって、重いものでも軽く感じるため、身体に大きな負担がかかりません。
古武術介護は、介護をする側と受ける側、双方のためになる、「筋力に頼らずに、体の負担をぐっと減らせる」介護術なのです。